毎年冬になるとインフルエンザやカゼが猛威をふるい、のどの痛み、発熱、咳などの症状で当院もたくさんの患者さんがみえられます。
のどの痛みといっても、病気によって鼻の奥が痛かったり、扁桃腺のあたりが痛かったり、もっとのどの下の方が痛くなり、更に声がかすれたりとさまざまです。
一般に言うのどは咽頭と喉頭をさしています。咽頭は口を開けて正面で扁桃腺のある中咽頭、その上で鼻とつながっている上咽頭、下で食道とつながっている下咽頭と三つにわけられています。喉頭は気管とつながっていて中に声帯があり、声を出します。
咽頭の病気
- 急性咽頭炎
ウイルスや細菌に感染しておこります。
のどの痛み、乾燥感、発熱、ときに耳にまで痛みがはしるように感じます。
のどは真っ赤に腫れます。
- 急性扁桃炎
扁桃腺が細菌に感染しておこります。
咽頭炎とほぼ同様の症状ですが、強いのどの痛みがあり高熱が出ることも多いです。扁桃炎では扁桃腺は赤く腫れあがり、白色の膿が表面に付くのを認める場合もあります。
- 扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎に続けて起こります。
扁桃腺とその近くの筋肉の間に膿がたまった状態です。
膿瘍ができた方ののどは大きく腫れあがり激しい痛み、高熱が続きます。
痛みで食事をとれないこともあります。
炎症が進行した場合、口を開けることが出来なくなります。
- 咽喉頭異常感症
のどに異常が認められる所見がほとんどないのに異物感、乾燥感、つまった感じがします。
がんに対する恐怖やストレスなど心理的な要素も原因の一つとなります。
喉頭の病気
- 喉頭ポリープ
声を使う職業たとえば歌手、教師に多い。
声帯に浮腫性のポリープができて声がかすれます。
吸入やのどの安静で治らないときは手術が必要です。
いびき
いびきは睡眠時におこる異常な呼吸音です。のど、鼻の部分が何らかの原因で狭くなり、空気の流れに合わせて異常な音を発するものです。原因は肥満など全身的なものと、鼻・のどの局所的なものがあるので、いびきの原因が何かをつきとめることが大切です。
原因が肥満の場合は減量など肥満の治療が必要です。鼻の病気(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症など)、のどの病気(口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖症など)がある場合はこれらの病気の治療を行います。
睡眠時無呼吸症候群
お酒を飲んだり疲れたときに、普段いびきをかかない人でも軽いいびきをかくことはありますが、大きないびきや呼吸が止まったり大きな呼吸をくりかえすものは病的です。
睡眠時無呼吸症候群はいびきと睡眠時の無呼吸発作が特徴的な症状です。7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上呼吸の停止)、または1時間に5回以上の無呼吸(10秒以上)がある場合は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
無呼吸で十分な睡眠がとれないため昼間に眠気が強く、記憶力や集中力の低下をきたします。仕事中に居眠りをしたり、交通事故や労災事故の原因になり、社会問題にもなっています。呼吸機能の低下のため高血圧や不整脈など循環器疾患の合併もしられています。
|